98ランチ
PC-98シリーズのWindowsプリインストールマシンに搭載されている98ランチ。
これはNECが初心者でもWindowsをすんなり使えるように開発したランチャーである。
起動すると画面にアプリケーションのアイコンが表示され、
それをクリックするだけで簡単にアプリケーションの起動が可能になるのである。
すごい! 夢のようなソフト! 98万歳!
でもカス。
とにかくカスソフト。ここではそのクソっぷりを列挙していきたい所存にござりまする。
1.激重
この時点でランチャー失格。
こいつが起ち上がってるだけでマシンの性能が4割は落ちてる。
特にWindowsの起動はほとんどこれの起動時間じゃないかってくらいひどい。
2.役立たず
もうびっくりするくらい使えない。
スタートメニューに登録されているソフトが画面にアイコンとして表示されるわけであるが、
表示できるのはなんと4つまで。
それ以下は「次のページへ」というボタンを押さないといけない。
この画面の切り替わりがまた腹立つくらい遅く、
5回くらい切り替えていたらもう死にたくなる。
だから私はカスタマイズして使うソフトだけを前に持ってきていたが、
なんでそんなことをせにゃならんのだ。
3.邪魔
こいつは本当に邪魔。全画面表示なのでマイコンピュータとかが開けないのである。
一応私が使っていた98ランチは右上に最小化ボタンがついていたが、
バージョンによってはそれすらもついてない機種もあり、
そういう場合はGRAH+TABキーなどを使うしかない。
そんなもん、初心者が使えるわけないので初心者殺しの異名をとっている。
4.消せない
そんなにいらないならアンインストールすればいいだろが、と思われる方もいらっしゃるだろうが、
ここにも問題がある。
コントロールパネルからアンインストールできるが、
98ランチをアンインストールすると他のソフトまで一緒に消えてしまうのである。
98ランチのみを消すことはできない。ここまでくると寄生虫である。
一つの方法はWindows起動時に一緒に起動させないというものがあるが、
スタートアップのところを見ても98ランチの名前がない。
実はWindowsの設定ファイルに直接書き込んであるのだ。
そこをいじればいいが、初心者お断りである。まさに初心者殺し。初心者クラッシャーである。
5.うるさい
98ランチはアイコンをクリックしたときの音とかが異様にでかい。
「ポコプケオゥン!」とかいうトランス音色がスピーカーをぶち破って鳴り響く。
ヘッドホンしてたら死ぬ。
6.勘違いしてしまう。
Windowsが起動すると選択の余地なく98ランチが起ち上がって
画面を覆い隠してくるため、ユーザーは「これがWindowsか」と思い込んでしまう。
そしてその重さに慣れてしまうとこれが普通だと思ってしまう。
事実、98ランチを上記にあるようにWindowsの設定ファイルをいじって消したところ、
驚くほど軽くなった。まるで洗脳が解けた気分だ。
そんな98ランチであるが、eritさんからすごい話をうかがった。
私が使っているのはバリュースタであるが、eritさんはキャンビー(Win3.1モデル)である。
キャンビーといえばTVキャプチャー、モデム、赤外線通信など、まさにマルチメディア!って感じだが、
eritさんの場合はどれ一つとしてついてなかったようで、そのくせソフトはたくさんついていたらしいと。
98リビングスペース、98キッズルーム、98デスクトップとかいう名前から怪しいソフトに囲まれ、
しかも何一つ役に立たなかったと。
一番すごいのが「留守番電話機能」でパソコンにマイクをつなげて電話に使うことができるが、
これをやるには24時間フル稼働していることが前提であり、
そんなことやってられるかと。
またパンフレットには「付属のマイクで家族でカラオケ!」とか書いてあったと。
誰がやるもんかと。
そういうふうに何もかもが使えないくせに、
「マルチメディア」という言葉は自慢気にパンフレットに書いてあるのが腹立つと。
どうですか?
98に興味出てきましたか?
なら買え!