クレイジーニュートン

昔のパソコンゲームといえば、
店でゲームを買ってくるよりも自分で作って遊ぶものが主流でした。
作るといっても大抵の人がクソゲーを量産してしまいますので、
雑誌等に載っている優秀なプログラムを
自分のパソコンに打ち込むのです。

で、私が持っていたPC-6001にもそういう
ゲームプログラムが載っている本がありまして、
「PC-6001活用研究」という電波新聞社から出版された
素晴らしい本があるのです。
電波新聞社って別にヤバい会社ではなく、
「マイコンBASICマガジン」などの
真面目な技術系の本を出してるところですので
誤解のないように。

さて、その「PC-6001活用研究」に載っているゲームプログラムは
「コンピュータランド北海道」なる会社?の中の
「セブンターキー」と呼ばれる天才プログラマー集団が製作しておりまして、
それはもう、PC-6001の性能を限界以上に引き出した
ゲームばかりがありました。

その中で「クレイジーニュートン」というゲームに私は惹かれました。
当時、私は8歳くらいでしたが、
そのヤバげなタイトルに心をときめかせたのです。
そして私は本を片手にクソ長いマシン語を
約1週間かけて打ち込みまくったのです。

このゲームは危険な要素がいっぱいです。
本にはプログラムと一緒にゲームの説明も載っていますが、
その説明からしてヤバいのです。ストーリーは

「ニュートン先生は木からリンゴを落ちるのを見ていた。
 すると木から爆弾も落ちてきた。
 そしてエイリアンも落ちてきた。

というものです。
危険です。あまり近寄らないでください。
さらに畳みかけるように注意書きがあります。

「私はこのゲームの仕様を見て愕然としました。
 どう考えてもニュートンがエイリアンを助けるという構図はおかしいです。
 プログラマーはノイローゼにかかっていたのです。
 読者の皆様はこの狂気を楽しんで下さい。」

みたいなことが書いてあり、必見です。

ゲームの内容は木からリンゴが落ちてくるので
ニュートン先生を動かしてリンゴを手に持っているかごに
入れていきます。
なぜリンゴを拾わないといけないのか、一切説明はされてませんが、
とりあえず拾うと10点入ります。

リンゴに紛れて爆弾も降ってきます。
爆弾は拾ってはいけません。
地面に落ちると爆発して爆風まで出すので
近づいてもいけません。

そしてたまにエイリアンも落ちてきます。
先ほどの注意書きにありましたように、
エイリアンは助けないといけません。
落ちる前にかごに入れるのです。
助けそこなうとニュートン先生が死にます。

つまり、リンゴを適当に拾って爆弾を避けながら、
エイリアンが落ちてきたらとにかく助けろ!
っていうことです。
ちなみにエイリアンと爆弾が同時に落ちてきたら
どうしようもありません。
説明書には「あきらめて下さい。」とだけ書いてあります。

スピード感もあって当時の私は結構ハマってました。
もしどこかの本屋でこの本を見つけたら
PC−6001も買って打ち込んでみて下さい。
(そんなやついない)

ところでこの本にはいたるところに
「プログラマーはノイローゼになって云々」という記述が見られます。
私はこれでプログラマーになることを決意しなくなったので
ある意味この本は私の人生の良きアドバイザーかもしれません。
プログラマーって恐ろしい職業だにゃー。

 

戻る