何ぃ? 最近のRPGはムービーバリバリの3D画像バリバリのリアル志向だと?
ふざけんな! 何がリアル志向だ! もっと考えてから物言え!
貴様は見た目は綺麗なら全部リアルだと思ってんのか!
よかろう、この私が究極のリアルRPGを教えてやる!
その名は「ダンジョンマスター」だ
もともと洋ゲーだがな。
日本でも日本語版がPC-98やスーファミに移植されているのだよ。
これやってからリアル志向RPGってのがなんなのかもう一度考えろ!何ぃ? どんなゲームなのか教えて欲しいだと?
よかろう、教えてやる。
ダンジョンマスターはな、勇者が洞窟に潜ってボスを倒す、
まあそんな感じなゲームだ。
勇者は1人から4人で好きなようにパーティーを組める。
勇者には戦士、忍者、僧侶、魔法使いという4種のレベルがあり、
それぞれの技能を伸ばすことでその職業のエキスパートとなれる。
職業として決められるのではない。
あくまでもそういうレベルがあるということで、
別に剣や魔法両方を使っていれば戦士を魔法使いも両方レベル上がるのだ。
まあどっちつかずの中途半端は強さになってしまうがね。
ゲーム中は常にリアルタイムで時間が流れている。
常に、だ。ゲーム中に時間が止まることは一切ない。
戦闘中のコマンド入力も、ステータスのチェック時も時間は流れている。
HPやMPを回復する手っ取り早い手段は寝ることだが、
そんな心休まる瞬間でさえモンスターに襲われることがあるのだ。
このため、プレイヤーは常に緊張状態にあり、
物音一つにも聞き耳を立てねばならない。
いいか、神経を研ぎ澄ませ!
扉の向こうに潜む敵、後ろから貴様を殺そうと忍び寄る敵、
わずかな音も聞き逃すな。
ボーっとしてるだけで貴様は死に至るだろう。
リアルタイムで時間が流れているため、
プレイヤーは飢餓とも戦わねばならない。
腹は常にすく。喉は常に渇く。
食料を探せ! 泉を見つけろ!
食料が見つからなければモンスターの死骸を食え!
またプレイヤーは様々な罠に遭遇する。
床にある落とし穴のスイッチ、アイテムを取ると吹きだす毒ガス、
ワープゾーン、時間差を利用したトラップ。
頭を使え! そして機敏に行動しろ!
モンスターでさえも利用するということをひらめくのだ。
サバイバルでは望むものが足りないということもしょっちゅう起こる。
さっきの食料もそうだが、武器の問題もある。
近づけない敵を攻撃したいが、弓矢がない。
それにナイフなども手元にない。
そんなときはなんでも投げろ!
防具や食料でさえも武器になるのだ。
敵を倒したあとにまた拾えばいいというだけだ。
魔法については説明書には内容がほとんど記述されていない。
魔法は複数のシンボルマークを組み合わせることで発動する。
例えば「火」+「飛」でファイアーボールの魔法といった具合だ。
基本的に最初から使えない魔法は存在しない。
全ての組み合わせを試すことができる。
とはいっても、MPやレベル制限はあるがね。
薬も同様だ。
「回復」+「毒」の魔法で毒消しの薬を作ることができる。
薬はプレイヤーの能力を上げるドーピング系のものもあり、
筋力を上げまくって大量の荷物も持ち運ぶなど、いとも簡単にできるだろう。
薬漬けの貴様にはお似合いだな。
こういった魔法シンボルの組み合わせは
ダンジョン内の壁の落書きや、巻物に記されている。
もちろん、自分で編み出してもいいのだがな。
この世界にはお金などというものはない。
人との交流がない真っ暗なダンジョンではそのような概念は必要ないのだ。
コインは存在するが、専ら罠解除の道具として使う。
いいか、サバイバルだ。
危険はどこからやってくるか分からない。
夜中に一人でやると本当に恐ろしいゲームだ。
さあ買ってこい!
そして貴様の力を私に見せてみろ!
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