ファミコンウォーズ

「ファミコンウォーズが出ーるぞ!」
「母ちゃん達には内緒だぞー!」

などのCMフレーズがゲーム本体よりも有名であるこのファミコンウォーズは
そのCMのインパクトだけでなく、ゲームの内容についても
素晴らしい点が多々あります。ありまくります。

もうこのゲームが出たのってどのくらい前でしょうか。
私が小学生の頃ですなあ。
あの頃の有名な現代戦シミュレーションゲームって
大戦略くらいしかなかったんではないでしょうか。
私もガキながらPC-88の大戦略をプレイしてみたんですが
さっぱり分かりませんでした。
マニヤには受け入れられたゲームも小学生にはちと荷が重すぎます。
ヘックス(注1)、ZOC(注2)などのシステムは
SLGには当たり前のようにありますが、
リアルさはあっても敷居が高いために
どうしても初心者には分かりづらいものです。

しかしそういった、
「シミュレーションはやってみたいがルールが難しすぎてさっぱり分からん」
というユーザーのために我らが任天堂は
ファミコンウォーズを世に出してくれたのです!

私は買いました。当然です。
ファミマガの記事で初めて知ったときからもう虜だったのです。

このゲームはレッドスター軍(ラブリーフェイス)と
ブルームーン軍(ニヒルフェイス)のどちらかを選択し、
各戦闘マップで敵軍を蹴散らして勝利を収めるのが目的です。
勝利条件は「敵の全滅」もしくは「敵司令部の占領」のどちらかです。
もちろん敵にこれらの目的を達成されてしまった場合は負けです。
実際のゲームはターン制で敵味方交互にユニットを生産、移動、攻撃し、
中立、もしくは敵の街を占領して収入を増やし、
敵の勢力を上回ることがポイントという、
概要的には大戦略と全く同じルールなんですが、
大きく違うのはシミュレーションゲームとしての面白さを損なわないままに
システムを極力簡略化している
というところにあります。

シミュレーションゲームの醍醐味は
敵の弱点を読んで攻めるというところにあります。

例えば戦闘機は爆撃機に強いだとか、
対空砲は戦闘機に強いだとか、
自走砲は敵が遠いと強いが近寄られると何もできないだとか、
そもそも弾や燃料が切れたら鬱氏だとか、
各ユニットにはそれぞれ性格があります。
万能なユニットなど存在しません(してたらつまらん)。

プレイヤーはいかに敵軍に対して有利な攻撃をするかで
頭を悩ませるのです。そしてそれが楽しいのです。
ファミコンウォーズはシンプルなシステムながら
その辺はしっかりと作られており、
実際に遊んでみれば無駄なユニットなど存在しないことが分かります。
もし戦場でなんのためにいるのか分からないユニットが存在した場合、
それはそのユニットを生産したプレイヤーに責任があります。
腹を切れ。

難易度的には結構低めです。
アドバンスト大戦略や大戦略エキスパートのような
最初からプレイヤーを鬱氏させる難易度の面は存在しません。
でもこの低めの難易度がチビッコ達にはちょうど良かったのです。
私もかなり時間かかりましたが、クリアすることができました。
大人達もどれだけ少ないターン数でクリアできるか、という楽しみ方ができます。
ファミコンだから、というわけではないですが、
この辺の調整はさすがというところでしょうか。

さらにチビッコを寄せ付ける演出がいろんな所に見受けられます。
つまりラブリーです。
都市の占領時とか、補給時、人員輸送時などには
超ラブリーなアニメーションが流れます。
「アチョー!」とか歩兵が叫んだりします。
さらに敵司令部占領時には歩兵たちがラブリーボイスで
「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」と大喜び。
超ラブリー! やってることは血みどろですが。

戦闘もかなりスピーディーに行なわれます。
見ていて楽しいです。
個人的に好きなのは一人だけ生き残った歩兵が
最期の雄叫びとばかりにマシンガンを
敵戦車の集団に撃ちまくっている光景
でしょうか。
カンカンカン! という全く効いていないマシンガンの命中音が泣かせます。

とまあ、そんなラブリーチャーミーなファミコンウォーズですが、
大きな欠点があります。
それはセーブデータが消えすぎるってことです。
もうびっくりするくらいすぐに消えます。
「さて、今日はタマタマジマでもクリアするか」と思ってデータロードすると
いきなり見覚えのある追いかけっこが始まったりしますので油断禁物です。

したがって、ファミコンウォーズに対しての一番の攻略法は

1.できるだけゲームを中断するな
2.リセット押すな
3.クリアするまでカセットは抜くな

この3点になるかと思われます。
これらを守りさえすればクリアはできるでしょう。

すれ。


注1:ヘックス……戦闘フィールドのマス目が六角形の蜂の巣状になっていること。
          隣接するマスが四角形に比べて多いため、
          多対1の戦術が取り易い。
          六角形でなくても光栄のSLGみたいに
          四角形が半分ずつずれて並んでいる場合も
          結局は隣接するマスは6つになるのでヘックスである。
          ファミコンウォーズのマス目はノーマルな四角形。

注2:ZOC………確かZone of Controlの略だったか?
          一度敵に隣接してしまうとそこからは
          1マスずつしか移動できないルール。
          移動力の高いユニットが1ターンで敵ユニットの前を
          一気に通り過ぎるのはいくらなんでもおかしいだろ、
          普通途中で撃たれるだろ、って発想から生まれた(と思う)。
          ZOCなしのルールでは敵を通らせないためには
          自軍ユニットを隙間なく敷き詰めないといけないが、
          ZOCありだと1マス間隔に自軍ユニットが存在すれば
          敵は通り抜けることができない。
          ファミコンウォーズにはZOCは存在しない。

 

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