インテル入ってない

 

2000年2月18日、それはやってきた。
その名は「HK6-MS466-N4」
メルコのCPUアクセラレータである。
AMD製K6-III450MHzを搭載し、466MHzで動作させるブツである。
私のマシンのCPUはIntel製Pentium166MHz。
このCPUで最近のゲームを遊ぼうとするとすぐにヘタレてしまう。
こないだFF8の体験版をやったが、舞踏会のシーンが始まると思いきや、
画面が停止し、次の瞬間には舞踏会が終わっていた。
それはあんまりである。
しかし! 今回CPU換装をすることにより、そんな屈辱の日々にもおさらばなのである。

私が上記のCPUアクセラレータを選択した理由はこうである。
K6-IIIはCPU内にセカンドキャッシュを持っている。
これにより、ベースクロック66MHzのPC-98でも
高速にセカンドキャッシュを動作させることができるのだ。
ただ、K6-IIIはどうやら450MHzで打ち止めらしい。
そんな感じでこれを買った。

さて、ハードディスクのバックアップを取り、パソコンのカバーを開けて
さっさと換装を済ますことにする。
CPUを外すなんてとても恐ろしい作業に思えたが、
実際にやってみると非常に簡単だった。
アクセラレータを装着し、いよいよ起動。

するとピーーーーーッ!とエラー音が。
画面を見ると、「SIMM MEMORY ERROR」ですと。
メモリがおかしい?
たぶん接触が悪いだけと思うのでメモリを叩いてみる。
すると直った。

マシンが起動すると「ピイポッ!」っといつもより遅い起動音が鳴る。
メモリカウントを終え、ウインドウズが起動する。

で、使ってみた感想。
「速ぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!!」

速い、とにかく速い。
フォルダを開く速さがとにかく速い。
さらにファイルの解凍や、アプリケーションの動作など驚きの一言。
ついにウチのPC-98は生まれ変わったのだ。

CPUが上手く動作したことが分かったので、
次にベンチマークを取るためにマシンを最適な状態にする。
つまりハードディスクをフォーマットしてしまい、ウインドウズを再インストールするのだ。
今の状態ではいろんな物がハードディスクに入っていて、
何が悪影響を与えるか分からない。

というわけで起動ディスクをフロッピードライブに入れて再起動。
FDISKで領域削除→領域確保を行ない、
セットアッププログラムでスキャンディスク→フォーマットと行なう。
このとき、「Bドライブの最大容量が間違ってます」というエラーが出たが
そんなことを言われても私は知らん。
その最大容量を決めたのはお前だろうが。

フォーマットが終わったのでウインドウズのインストールを行なう。
ウチのマシンは改造のしすぎで普通にやってもインストールできないため、
インストール中にconfig.sysやautoexec.batを書き換える必要があるが、
そんなことはPC-98を愛す人間に取っては苦にはならない。
このインストールもCPUのおかげでかなり速かった。

約30分のインストール作業が終わり、ついに第1回目のウインドウズ起動である。
起動した瞬間に起ち上がる「Windows98へようこそ!」とかチャンネルバーを
速攻で屠り、各種ドライバ、パッチをインストールする。
ここで「ウインドウズ98 2000年問題修正パッチ」が悪さを行ない、
ウインドウズが起動不能になって再インストールをあと2回行なうはめになる。
ちなみにこの修正パッチはディスクごと放り投げた。

ここまでですでに12時間が経過(そのうち11時間は修正パッチのせい)。
私は完全に疲れてしまったが、
やっとここで念願のベンチマークを取ることができるのだ。

使用ソフトはHDBENCH2.61。
まず、参考としてCPU換装を行なう前のデータを挙げる。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821V16/S5C2
Processor Pentium 166.0MHz [GenuineIntel family 5 model 2 step C]
解像度 1280x1024 65536色(16Bit)
Display スタンダード ディスプレイ アダプタ (9821 シリーズ)
Display GA-PII8/PCI
Memory 47,528Kbyte
OS Windows 98 4.10 (Build: 1998)
Date 1999/ 9/ 6 19:40

HDC = I-O DATA Ultra ATA Bus Mastering Controller

A = IBM DTTA-351010 Rev T56O
B = FUJITSU MPA3035ATU Rev 9701
C = GENERIC NEC FLOPPY DISK
D = NEC PD-1 ODX658 Rev 2.0M
Q = NEC PD-1 ODX658 Rev 2.0M

ALL  浮  整   矩   円  Text  Scroll DD Read Write Memory  Drive
8249 9210 9908 10182 4902 13654  55  14  9723 8358 9033   A:10MB

この値の意味を説明すると

ALL………総合値
浮 ………浮動小数点の演算
整 ………整数の演算
矩 ………矩形を描画
円 ………円の描画
Text………テキストの描画
Scroll………スクロール性能
DD ………DirectDrawの性能
Read………ハードディスクの読み込み速度
Write………ハードディスクの書き込み速度
Memory……メモリの転送速度
Drive………使用ドライブ

となっている。
さて、いよいよ今回の新生バリュースタのベンチマークの結果を公開。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821V16/S5C2
Processor AMD K6 464.8MHz [AuthenticAMD family 5 model 9 step 1]
解像度 1280x1024 65536色(16Bit)
Display スタンダード ディスプレイ アダプタ (9821 シリーズ)
Display GA-PII8/PCI
Memory 63,928Kbyte
OS Windows 98 4.10 (Build: 1998)
Date 2000/ 2/19 22:51

HDC = I-O DATA Ultra ATA Bus Mastering Controller

A = IBM DTTA-351010 Rev T56O
B = FUJITSU MPA3035ATU Rev 9701
C = GENERIC NEC FLOPPY DISK
D = NEC PD-1 ODX658 Rev 2.0M
Q = NEC PD-1 ODX658 Rev 2.0M

ALL   浮   整   矩   円  Text  Scroll DD Read Write Memory Drive
17438 28837 35664 25574 7188 17677 183  19 12307 12075 17983  A:10MB

やはり、CPUに関連するデータは思いっきり上昇している。
さらにMMX機能なども追加されているため、グラフィックの性能も一緒に上がっている。
これがどのくらいのデータなのか、いまいち分からない方は
実際にHDBENCHで計ってみてはどうだろうか。
(現在のバージョン3.0は次回測定する)

最後に実際にいろんなゲームで遊んでみて
体感速度がどのくらい改善されたかを検証してみる。

カーマゲドン2
パワーアップ前はなんとかプレイできる程度だったが、
CPU換装後は非常に滑らか。
人の吹っ飛び方がかなり綺麗である。
こんな風に吹っ飛んでいたのか。
今まで動作がガクガクだったから全然分からなかった。

マイクロソフトコンバットフライトシミュレータ
パワーアップ前はオプションで描画の複雑度を最低にしても
ゲームにならないというクソ重いゲームだったが、
今では最高の画質でもスイスイと動く。
感激!

ファイナルファンタジー8 体験版
問題の舞踏会のムービーはぎこちないながらも一応まともに見れる。
通常の移動のシーンはほぼ問題ない。

XGWorksV3.0
これはゲームでなく、シーケンスソフトなのだが、
楽譜の描画が非常に速い。
いままでは演奏中には楽譜の描画はほとんど止まっていた感じだったが、
もう描きまくり!
これで今までよりさらにMIDIれることは間違いない。

時間がなかったためにあまり動作検証はしていないが、
これからいろんなゲームをやってウハウハする予定。

そんなわけで物好きのあなた、ここまで読んでくれて本当に感謝します。

次の目標はこれ。

UltraATA66対応30Gハードディスクの搭載
VoodooBanshee以上のビデオカードの搭載

お楽しみに。

(補足 K6-IIIにはライトアロケートとライトコンバインという機能があり、
 ソフトによってこれを使用することができるが、
 実際に使用した結果、ベンチマークの値の向上は見られなかった。
 また、DirectX7.0aをインストールしても同様だった。
 これは現在使用しているビデオカードが古いためだと考えられる。
 ビデオカードを新しくしたときにまたもう一度ベンチを取ってみたい)

 

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