摩訶摩訶といえば、バグゲーです。はい終わり。 こんなレビューを見るたびに私は怒りに震えます。
あまりにバグが多すぎて商品として成立してないとの見方もありますが、
私はこの作品を不幸なゲームだと思っています。
理由はプログラムの稚拙さ以外に悪いところが見つからないからです。
むしろ斬新で素晴らしい出来です。
私は数々のバグにめげずにこのゲームをクリアしましたが、
それもこれもゲーム内容が面白いからで、
まともなプログラマーがソフト組み込んでいれば
クソゲーサイトから槍玉にあげられることもなかったのに、と思うのです。
惜しい、本当に惜しいです。
では発売日に定価で買った私がこのゲームの魅力について
唾を飛ばしまくりながら説明するのでしかと聞きなさい。
まず一つ。
このゲームの登場人物は非常に個性的です。
主人公は普通の外見で普通の生活で普通に彼女がいる普通の人物。
ここまで特徴がないのが特徴的です。
さらにその彼女も普通の格好で普通にかわいく、普通の性格です。
ですが、その他のキャラは曲者ぞろい。
伝説の包丁を探し求める板前(攻撃力が非常に高く、前線での活躍度No.1)、
町をしきるスケバンで実は男(片思いのナオンがレズで、女としての自分に惚れている)
美的感覚が我々と正反対の国でNo.1の美女(しかも主人公にラブ。得意技は相撲)
これだけでストーリーが読めた方はすごいです。
設定や原画はあの漫画家、相原コージが担当。
普通のシナリオライターなら逃げ出すキャラ立ちです。
相原氏のゲーム製作に対する意欲は旺盛で、
彼はこの後、別の会社から「イデアの日」という
素晴らしい作品を生み出すことになります。
そして一つ。
戦闘シーンが迫力あります。
敵味方がかなりの大きさのキャラで描かれ、しかもアニメーションまでします。
主人公達はいわゆる魔法の代わりに前世に変身して様々な技を繰り出します。
特に板前マサの前世「宮本武蔵」はめちゃカッコイイです。惚れます。
敵キャラも相原氏がデザインしており。
独創性が高すぎて眩暈を及ぼすような敵が次々と出てきます。
一度見たらあなたの安眠を妨げることでしょう。
さらに一つ。
音楽が素晴らしい。
J-WALK作曲による、明るくさわやかな曲は聞いててほのぼのします。
特にタイトルオープニングの曲はぜひとも最後まで聞いて下さい。
シングルCDで歌モノだったら絶対売れるくらいの名曲。
誰か歌え。
システム的にも宝箱を2回調べる事で隠された財宝を見つけることができたり、
錆びた武器を鑑定したら掘り出し物であったり、
マニア心をくすぐることも忘れていません。
そんなわけでバグさえなけれっば良ゲーだということがお分かりでしょうか。
そのバグなんですが、まあひどいこと。
思わず目を背けたくなるほどの技術力の低さです。
バグだけではありません。
プログラムのレベル自体が全体的にヘタレなのです。
ここに列挙していきます。
1.とあるダンジョンに入ると約2分の1の確率でハングアップ(バグ)
このダンジョンは入らないとゲームクリアできません。
うっかりセーブせずに入ると大変なことになります。
2.移動中の魔法を仲間が使おうとするとなぜか主人公の魔法しか使えない(バグ)
これはいくらなんでもひどすぎ。普通気付くだろ。
まあ主人公は回復魔法がメインなので特別困らないのですが、
仲間の魔法は戦闘中しか使えません。
3.主人公のレベルがある程度まで上がると防御力が0になる(バグ)
一番悲惨なバグ。強かった主人公が一気に足手まといに。
といっても主人公なので常にパーティーにいなくてはならず、さらにショック倍。
ザコ敵からも一撃で屠られます。
4.敵が出過ぎ(ヘタレ)
ちょっと歩いただけで敵が出ます。
しかもこのゲームの敵は異様に強いくせにこっちのレベルはさっぱり上がらんので
かなりストレス溜まります。
5.フィールドのグラフィックがショボすぎ(ヘタレ)
なぜか普通のグラフィックを拡大して粗い画像でオンエアーされてます。
拡大してる意味がさっぱり分かりません。
なんかクソガキの描いた絵の上を歩いてる気分です。
6.音質悪すぎ(ヘタレ)
さきほど音楽が素晴らしいと書きましたが、音色はダメダメです。
実は私はゲームを買う前にCDで音楽を聞いていたので
すげえ!これが摩訶摩訶の曲か!
感動! 再会! 対面!
と思っていたのですが、いざゲームを買ってみるとなんだこりゃ。
ほへほへ言ってます。音が。
ああ、CD-ROMがこの時代にあればプログラムの力は関係なかったのに!
まことに残念。
そんな感じで悪い面もいろいろとありますが、
というか、ありすぎて致命的ですが、
やりましょう。クリアしましょう。
ちなみにラスボスの正体がパッケージに載ってるという、
豪快なこともやってくれてます。
ますますファンです。
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