シルフィード

全国のパソコンシューターのチビッコ諸君! おはよう!
どうした! 返事がないぞ!
ええっ!? パソコンでシューティングやるチビッコなんていないですって!?

私が中学生の頃、夏休みを一つのゲームに費やしたことがあります。
それはPC-88のシルフィード。
PC-88ユーザーの中では有名なシューティングです。
有名どころか伝説です。

私はそれまではシューティングゲームというものが苦手だったのですが、
このゲームのおかげで生まれ変わったね。

シルフィードはまさに漢のためのシューティングと言えます。

オープニングから88のグラフィック能力をフルに使う、
カッコイイワイヤーフレームの自機「シルフィード」が登場です。
映画のような演出! には見えないけど
とにかく88でめちゃ頑張ってる映像に釘付け間違いなしです。

ていうか映画とかどうでもよくて、
肝心なのはその漢っぷりなゲームシステムです。

全20面、残機なし、コンティニューなしという
まさに漢のためにあるような豪快さが感じられます。
死んだらそれまで。最初からやり直しです。
自機はシールド制で、攻撃を受けるとシールドが減っていき、
なくなるとゲームオーバーですが、
1面クリアするごとにシールドは全回復するというわけではなく、
一定量しか回復しないので、隠しアイテムを取るか、
そもそも攻撃を食らわないことが重要です。

敵の攻撃が苛烈としか言いようがなく、
特にやばいのがレーザーで、
一瞬で端から端まで当たり判定のある光線が走ります。
避けるなんて不可能です。撃たれた時点で射線上にいれば命中です。
普通、こういう攻撃は前触れの動作があるのですが、
シルフィードではそんなガキ相手みたいな親切設計など皆無!
3面ですらもうレーザー装備している敵が大量に出てきて
好き勝手にレーザー連射してきますので、諸行無常です。

まあ、ザコのレーザーは画面端にいれば当たらないという
安全地帯がありますが、ボスの場合は極悪。
だって端にいたらボス倒せないのでどうしてもボスの正面に立つ必要があり、
ここでレーザーを避けるには、
まさにプレイヤーのサイコパワーが必要となります。

しかし、そんな狂った攻撃にも対処法があります。
それが自機のパワーアップです。
1面クリアごとに自機の装備を変更できます。
最初は何も使えませんがゲームを進めるといろいろと装備が増えてきます。
その装備は左右の主翼に別々に装備することができます。
例えば、左には拡散弾、右にはレーザーなど。
また、ここでの武器の選択は非常に重要です。
なぜなら、選択した武器は次の面では使用不能になるからです。
いくらレーザーが強いからといって、両門をレーザーにすれば
そりゃその面は楽勝でしょうが、次の面で鬱氏します。
ですから、武器の選択は先の事を考え、慎重にならねばなりません。

上手く武器を選択していけば、5面に1面ほど遭遇する、
鬼のような難易度の面も切り抜けられるでしょう。

このゲームの魅力はこれらの要素を上手く味わえる難易度設定にあります。
確かに難易度は高いです。
でも理不尽な攻撃はしてきません。

10面のボスのレーザー連射は初めて見たときは鬱でしたが、
それでも頑張れば倒せるようになりました。
修行です。このゲームは鍛錬すればクリアできるのです。

最終面の今までのボス勢ぞろい→そのままラスボス突入といった、
ロックマンも逃げ出すようなボス敵の攻勢にはひたすら気合で応戦です。
特にラスボスのバリア(耐久力は数百発。隙間なし)や
レーザー連射(死角なし。ただし普通のよりほんのちょっとだけ速度が遅い)
はプレイヤーに神の見切りと忍耐が求められますが、
気合でなんとかしてください。

でもやられてしまっても、ゲームオーバー時に
「ハーハッハッハッハッハ! お前は弱かった!
音声で罵られるともう一度プレイする気になってしまうのです。

そんなこんなで私がこのゲームをクリアするまで半年かかりましたが、
クリアしたときはもうえらい喜びようでした。
もうどんなシューティングも怖くないと思いました。
事実、たいていのシューティングはクリアできるようになりました。
ただし、パソコンのキーボード限定で。

 

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