ウィザードリィVI

ウィザードリィは5作目で終わったと見る説があります。
地下深くのダンジョンにただひたすら潜り、
シンプルな戦闘画面で敵を殺しまくって
レベル上げとアイテム収集を延々と繰り返す。

これこそがウィズの醍醐味よ!
じゃが嘆かわしい! なんだ6作目からは!
ゲームそのものが変わりすぎじゃ!
最近の若いもんはなっとらん!

まあ気持ちは分かります。
私も1作目や5作目のいかにもウィズって感じのやつが大好きです。

しかし!
6作目は6作目で実はかなり面白いのです。

画面構成は確かに変わりました。
なんかダンジョンマスターに似てます。
似てるというかそっくりです。
スタミナの項目ができたのもかなりダンマスです。
まあそれは置いておいて。

今作では何が面白いか。
それはスキルシステムであります。
前作までは力、素早さなどのステータスだけがキャラの特性でした。
職業を決めたらあとはひたすらレベル上げ。
今作ではこれに加えてレベルアップ時の楽しみがあります。

各キャラには「剣」「投げる」「盾」「魔術」「精神学」「忍術」
などのスキルポイントがありまして、
レベルアップ時に値を好きな項目に振り分けることができます。
これにより、職業が同じでもプレイヤーによって違う育て方になってきます。

しかも、これは転職してもそのまま残りますので、やり様によっては

レベル1のくせに素手で敵の首を切る吟遊詩人
不意打ちが得意な侍
NPCから物を盗みまくるビショップ

など、個性的すぎるキャラ作りも可能。
一層レベル上げにも熱が入るってものです。

また、ウィザードリィといえば独特の味のあるテキストも外せません。
これ、結構楽しんでいる人いるのではないでしょうか。
例えば呪文の詠唱を途中で止めたときの「おおっと!」とか。

このウィズテキスト、今作でも健在です。
どうぞお楽しみあれ。例を挙げると、

「オークのばか騒ぎ 金曜 夜8時」
「敬愛されるあまり、237回射抜かれた」
「皆にほほえみを与え、自らは酒に死す」
「私を殺すならもっとましな理由がありそうなものではないか!
 着ているものが気に入らないとか、信仰が気にくわないとか……」
「どっかへいっちまえ!」

このウィズテキストにハマると
日本のRPGがいかにテキスト弱いかが分かります。
例えば宝箱を開けてアイテムを拾ったとして、
そのメッセージは「○○を手に入れた」じゃねえっての。

ウィザードリィVIではこうなります。

「大きなトランクの中に入っていたのは、ちょっとびっくりするような…
 まぁ一種のよろいというかなんというか…… そんな代物だった。
 すなわち、それは黒い皮製で、とがった金属の飾りが鋲でふちどられた、
 ごつい作りのブラだった。
 その使い道ははっきりしないが、もしふさわしい人物に着用されたならば、
 ある種の(エヘンッ)魅力を醸し出す”可能性”があるようだった。
 さらに困ったことに、その奇妙なブラと共に箱の奥から
 黒くて長いムチが出てきた。
 はてさて、妃の寝室で、一体こんなものを何に使っていたのだろう?」

部屋を調べて何もなかったとして、
そのメッセージは「しかし何も見つからなかった」じゃねえっての。

ウィザードリィVIではこうなります。

「昔は書庫であり書斎でもあったこの部屋の壁際には、
 朽ち果てた本棚と崩壊した本の残骸が積み重なっていた。
 向かい側の壁際には机が崩れ落ちている。
 ほとんどの本は、形をなさないほど崩れていて、
 中を読むことはできなかった。
 それでもいくつかの本はタイトルを読むことができた。
 ”世界の歴史” ”数学全書”
 ”2週間で7キロ痩せてその体型を保つ方法” ”呪文について”
 最後の2冊は何かの役に立ちそうだったが、
 残念なことに両方とも腐敗が進んでいて、
 手に入った情報といえばキャベツの面白い料理法だけだった。」

どうです。こんなのが毎回出てくるんですよ。
ここらへんの作り込みが他のゲームと違うところだと思います。

ムラマサも登場します。カシナートの剣も登場します。
外見の変化に惑わされず、落ち着いてじっくりと楽しんでみましょう。

 

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